way of viewing vol.1 霞健吾 -「もの」と「視点」
[会期]
2025年2月8日(土)- 16日(日)
*10日(月)は休館日です。
[時間]
11:00-19:00 (入店は18:00までとなります。)
[会場]
〒111-0031 東京都台東区千束3-4-3 千束河合荘3F
[問い合わせ]
es quart
Tel: 03 6240 6889
Mail: info@esquartgalerie.com
*会期中、会場にあるアイテムはいずれもお買い上げいただけますが、小物以外は原則会期後のお渡しを予定しております。

way of viewing - 「もの」と「視点」 -
「もの」を見るという視点は時代と文化的背景と共に移ろいでいきます。
人類の歩んだ歴史の中でも徐々にそれは視野を広げ、現代においてはさらにグローバルになり、どこにいても世界中の「もの」を見ることができるように変化を遂げました。
AIによるレコメンドから、私たちの周りには常に自分に必要な情報が用意され便利になると同時に、本当の意味で自分自身が何かを選び取ることができているのか、その行動自体に疑問符が付くような時代を迎えているように感じます。


今回の展覧会ではes quartに古道具店「ka su mi 」を主宰する霞 健吾を迎え「way of viewing」と題した「もの」を見るその視点にフォーカスを当てた展示を開催します。
彼の審美眼から選び抜かれた古物の数々は、歴史と用途、それに付随する社会的な評価を纏いながらも、「もの」自体が持つ、確かな魅力と美しさを放ち、手に取る人の感性と重なっていきます。
es quart では、作られた年代や、土地、作り手の国籍を問わず、時代の淘汰を乗り越えてきたものと、そして、さらに後世へと伝えるべき現代の作品群から私たちの手で抽出し、それを提案することをコンセプトに活動を重ねてきました。
それはすでに定義づけられた価値を違う視点から見つめ直し、また、新たに創造することでもあります。
言葉では説明のつかない、あらゆる要因から現代に " 無意識 " のまま、ただ美しいという理由から選び抜かれていくもの。
それらは今まさに次の時代を越えるべく、私たちのそばに佇んでいます。

一人の人間の物差しで集められたものが、他の誰かの感性に共鳴し、またそれらが私たちがいない遠い未来の誰かの感性に重なっていく。
ものを選ぶときの新しい視点や楽しみ方の一旦となる場面をご用意して皆様のご来場をお待ちしております。

今回の展覧会の開催にあたり、霞 健吾氏はes quartで展示するのであれば、というキーワードも一つのテーマとして取り組んでくださりました。
それでいてしっかりとその瞳を通して選ばれた古物は、新鮮な目線でご高覧いただけるものばかりです。
あるものは文脈があり、あるものは国籍も、作られた時代も、その用途すらわからない、それでいても美しいという共通項のもとに存在し、それらの「価値」はある種同等で後世に残すべきであり、確かにこれからの時代の淘汰を乗り越える力を持っていると確信できます。
「美は考えるものではない。一見して直に感ずる事の出来る、極めて簡単な手続きのものだ。」
霞氏が引用する谷崎潤一郎のこの言葉の通り、フラットな気持ちで展示をお楽しみいただけましたら幸いです。