No. 1 「past and current 」

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No. 1 「past and current 」

近代芸術運動の歴史の中で「 人間の実生活に直結 する諸芸術 を、生活 の場 としての建築に一体的に統合する」。というバウハウスが目指したとされる理念。それは約100年の時を経た現在においても、少しずつ形を変えながら、私たちが目指す一つの形として在り続けます。あらゆるライフスタイルの変化から、暮らしの形さえもが多様化する今世でも、空間を構成する大きな要素の一つに家具があります。まっさらな空間でも一際輝きを放つ一脚の椅子。一見、調和が難しく思えるような独創的なテーブル。一つ一つの個性がぶつかりあってこそ、それを選ぶ人だけの、独自性の高い住まいの形が具現化していきます。



それは例えば、かつて生活のためだけに作られた一台の無銘のテーブルと、ある休暇施設の一部屋のために作られた一人の建築家による椅子、そして今を生きる作家の作品が同居する、それこそがあらゆる芸術が統合した、現代の生活の場と言えるのではないでしょうか。作られた当初は、従来の役割を全うし、それらが時間と場所、そして価値観の垣根を越え、日本というこの小さな国でさらに現代の作品までもが会し、新たな空間を構築していくということは、この時代に生きる私たちでなければ体験できない、特別なことだと感じています。そしてそれらを提案する私たちと、選びとる誰もが、過去と現在から未来まで作品を繋ぐ担い手であると同時に、作り手の未来を支える一員となっているのではないかと考えています。



いわゆるモダニズムの時代に、住宅の機能として作られた家具は、当時の合理的で大衆的なものから、ここ近年にさらなる評価を受け、居住空間における、「機能する芸術」のような立ち位置へと変化し、時の流れと共に、作り手の意図を飛び越えて、新たな価値をまとっていきます。



あまりにも多くのものが作られて消費されていく世の中において、ものが持つ価値や本来の用途だけにとらわれず、ただ好きなままに、無意識のまま選びとっていく。「本当の美は生れるもので、つくり出すものではない。デザインは意識活動である。しかし、自然に逆らった意識活動は醜くなる。なるたけ自然の摂理に従うという意識である。この意識はデザインする行為の中で、究極のところ無意識となる。この無意識に到達したところより美が始まる」。このインダストリアルデザイナーの柳宗理氏が遺した言葉は、デザインに対するものではありますが、どのようなものにおいても、自らの審美眼によって選びとり、所有するコレクションは、その今世における価値以上の美しさを有しています。



es quartでは、作られた年代や、土地、作り手の国籍を問わず、時代の淘汰を乗り越えてきたものと、そして、さらに後世へと伝えるべき現代の作品群から私たちの手で抽出し、それを特別なライフスタイルとして提案します。すでに定義づけられた価値を違う視点から見つめ直し、また、新たに創造することであります。


Mathilda(Ⅰ,Ⅱ)

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