montagne et maison

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montagne et maison
[展示概要]

この度、es quartにて下記の展示を開催いたします。
本展は、シャルロット・ペリアンが設計に携わったスキーリゾート”Les Arcs”で使用されていた家具や建具へ主に焦点を当てた展示となります。
一連のプロダクトを一堂に会した空間にて、”Les Arcs”の雰囲気を是非ご体感いただけましたら幸いです。



 


"montagne et maison”

[会期]

2023年9月23日(土)- 10月1日(日)

11:00-19:00 (入店は18:00までとなります。)

*9月27-28日は休館となります。

[会場]

es quart

東京都台東区千束3-4-3 千束河合荘3F

Te:l 03 6240 6889



 


第二次世界大戦後、フランスに有給休暇が導入されると、フランス政府は海岸沿いと山間部の両方で国中の休暇用リゾートの開発に重点を置きました。
南仏のモンブランに面した"Les Arcs"は、レジャー需要の高まりに伴い、大衆がウィンター スポーツに、容易にアクセスできるようにするスキーリゾートを目標に考えられていました。このアイデアは 1961 年にスキー愛好家ロバート・ブランと開発者兼エンジニアのロジャー・ ゴディーノの間で生まれ、シャルロット ペリアンを含む建築家チームによって設計されました。
今回の展示では、約20年もの間プロジェクトを総括した、シャルロット・ペリアンによるLes Arcsのためにデザインされた家具や建具を中心に、彼女によってセレクトされた作品や、その他、南仏の休暇施設のために他の建築家、デザイナーによって作られた作品もご紹介いたします。
「montagne et maison」をテーマに自然と建築が調和する中に存在した作品をキュレーションしております。
皆様のお越しを心よりお待ちしております。



 


Les Arcs


『Les Arcs』はフランスのサヴォア県に、1967年に建設された、初めての大衆向けのスキーリゾートです。プロジェクトの総括を勤めたシャルロット・ペリアンをはじめ、ガストン・ルゲラ、ギ・レイ・ミレー、ベルナール・タイユフェールら著名な建築家たちがチームに参加していました。1969年には最初のレジデンスが建設され、Arc1600から順に、Arc1800、Arc2000と、プロジェクトが進行していきました。当時は、事前に組み立てられたバスユニットやキッチンユニットは極めて革新的であり、対面式のキッチンなど、今日では当たり前になったアイディアが、数多く発案され、実行されました。プロジェクトの開始から50年以上が経過した今、環境設備の劣化などからリノベーションが多く行われ、それに伴ってペリアンの家具を含めた建材などの作品が、世界各地のバイヤーによって、運び出され、あらゆるギャラリーによってコレクションされています。


シャルロット・ペリアンは20世紀という時代の、始まりから終わりまでを生き抜き、70年もの創作活動を続けましたが、その中でもこの、スキーリゾートのプロジェクトは彼女の長いキャリアの中でも最大の取り組みでした。建築の内側、すなわちインテリアデザインから建築を構成していったとされるペリアンの姿勢が示すように、彼女はLes Arcsのレジデンスの家具を含む、ほとんどのレイアウトを担当したとされています。ペリアンは、空間を最大限に活かすため、来日時に、日本のモジュールを熱心に研究したとされていますが、Les Arcsの家具はテーブルから椅子に至るまで全体的に低めの設計がなされており、以前に発表したデザインを流用する際にもそのシートハイを調整するなどあらゆる工夫がなされています。また、Les Arcsにはペリアンのデザインした家具のみならず、彼女のセレクトによって、日本人インダスリアルデザイナーの柳宗理氏のエレファントスツールや、日系アメリカ人の彫刻家、イサム・ノグチ氏によるakariなど、ジャパニーズモダンのアイテムまでも納入されました。


ペリアンは住宅設備だけでは、住環境の調和は成立しないと語っており、Les Arcsで彼女は、内部空間と外部空間を結び付ける重要性を示したのではないかと考えます。彼女は山を愛し、Les Arcsを通して、誰もが「山」にアクセスできるように貢献しました。その中で使われていた家具は、制作から50年の月日を経た今でも、素材の組み合わせや造形、その哲学に新しさを垣間見ることができると同時に、役割と場所が変わっても、手にする私たちに、シャルロット・ペリアンの思想そのものを、実感させてくれる佇まいを有しています。



Antique Cabinet with Paint from Italy

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